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登山の水分補給と熱中症対策:何をどれだけ飲むか

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登山中に必要な水は、体重 (kg) × 5 mL × 行動時間 (h) が基本で、気温が 25℃ を超えたら 1.3〜1.5 倍。体重 60 kg で 6 時間なら 1.8 L、真夏なら 2.7 L です。これを「のどが渇く前に、30 分ごとに」飲みます。水の必要量計算 で自分の数字を出してください。

なぜ「渇く前に」なのか

のどの渇きを感じたときには、すでに体重の 1〜2% の水分を失っています。この段階で持久力は落ち始め、判断力も鈍ります。登山では「気づいたら動けない」になりやすいので、渇きを待たずに定期的に飲むのが基本です。目安は 30 分ごとに 150〜200 mL、コップ 1 杯弱。

飲みやすくする工夫

  • ハイドレーション(水袋+チューブ):歩きながら飲めるので、自然と摂取量が増える。日帰りなら 1.5〜2 L
  • ボトルをサイドポケットに:立ち止まらずに取れる位置に。ザックの中に入れると飲まなくなる
  • 冷やす:夏は凍らせたペットボトルを 1 本入れると、保冷剤を兼ねる

塩分を一緒に

汗には塩分が含まれ、水だけを大量に飲むと血中のナトリウムが薄まって、だるさ・頭痛・吐き気が出ます(低ナトリウム血症)。対策は簡単で、

  • 行動食に塩味のものを混ぜる(梅干し、塩せんべい、塩タブレット、ナッツ)
  • スポーツドリンクを水で 2 倍に薄めたものを 1 本持つ
  • 経口補水液のパウダーを 1 袋持っておく(熱中症の初期対応にも使える)

気温と標高

水の必要量は「歩いている場所の気温」で決まります。麓が 30℃ でも 2,000 m の稜線は 18℃ で、必要量は 3 割違います。標高別の気温・体感温度 で推定してください。逆に、秋の低山で「涼しいから」と水を減らすのも危険で、乾燥した空気では汗が蒸発して気づきにくく、脱水が進みます。

熱中症のサイン

段階 症状 対処
初期 めまい、立ちくらみ、筋肉のつり、大量の汗 日陰で休む、水と塩分、首・脇を冷やす
中等 頭痛、吐き気、だるさ、集中できない 行動をやめる。経口補水液。回復しなければ下山
重度 意識がもうろう、汗が止まる、体温が高い 救助要請。衣服をゆるめ、全身を冷やす

「少し休めば大丈夫」と登り続けるのが最も危険です。中等の症状が出たら、その日は山頂をあきらめてください。

計画段階でできること

  • 夏は早朝出発にして、気温の高い午後の行動を減らす(コースタイム計算 で逆算)
  • 樹林帯の多いコースを選ぶ。稜線歩きは日差しと風で消耗が大きい
  • 水場の位置を地図で確認し、枯れている可能性も考えて多めに持つ

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